| 金属資源開発においては、SDGsに見られるような環境問題や人権問題等に対する意識の高まり、カーボンニュートラルの達成への動き、そして昨年来のCOVID-19によるパンデミックの災禍により、リスクの高まりがみられる。それに伴って金属資源開発に対する地元地域社会等のステークホルダーからの要請事項も多様化、厳格化してきている。一方で、資源開発はリードタイムの長い事業であり、鉱床発見から鉱山の生産開始までには最低でも10年以上を要する。さらに金属鉱床は深部化、高地化しているとともに、優良鉱床は減少して鉱石品位の低下や不純物の増加といった条件の悪化もある。本報告書では、こうした金属資源開発を巡るリスクの高まりや変化につき、地域特有の問題にも焦点を当てて状況をまとめた。リスクとしては、水資源を含む環境問題、先住民問題（遺跡問題を含む）、政治課題と資源ナショナリズム、そしてパンデミックリスク（COVID-19禍）を取り上げ、具体的な事例を紹介するとともに課題と対応策を整理した。 |